私には、5つ年下の知り合いがいる。家が近いってこともあって、昔は、よく遊んでいたけど、最近は・・・。まぁ、中学3年の男の子だから、仕方ないんだけどね。
そもそも、なんで知り合ったのか、って言うと・・・。まず、私のお父さんとその子のお父さんが、学生の頃の親友で、大人になった今、たまたま近所になったらしくって・・・。で、息子がいるだの、娘がいるだの、っていう話から、私達は知り合いになった。昔は、歳や性別なんて関係ないし、遊んでたんだけど・・・・・・。・・・あっ、その子は跡部 景吾って子で、氷帝学園の中等部に通ってるんだ。・・・いわゆる、御坊ちゃま。なんてったって、あの「跡部財閥」の長男だもの。それに、テニス部の部長までやってるらしい。テニスの実力も、結構あるみたい。私は、知らないけど。とにかく、最近は顔も合わしていない。・・・・・・あれ以来かな・・・。

俺には、5つ年上の知り合いがいる。家が近いってこともあって、昔は、よく遊んでいた。だけど、最近は・・・。まぁ、俺もアイツも、いろいろと忙しいから仕方ない。
そいつの名前は っていう。5つ上だから、今は20歳だ。・・・たしか、大学には行っていないと聞いた。昔から「好きなことをやりたい!それを仕事にする!」とか言っていたから、仕事でもやっているんだろう。何の仕事かは、わからねぇが。とにかく、最近は顔も合わしてねぇからな。・・・・・・あれ以来だな・・・。

それまでは、普通だった。だけど、あの日から、急に景吾の態度が変わった。
私が、中学に入学した時だった。

ちゃんも、もう中学生か〜。早いもんだね。」

そう言って、景吾の小父さんが入学祝をくれた。

「わざわざ、すまんな。・・・ほら、。」
「ありがとうございます。」
「中学にもなったら、大変だろうけど、たまには景吾のことも、見てやってくれるかい?」
「もちろんです。」
「それは、よかった!」

俺は、それを部屋の外から聞いていた。

は、景吾君が好きだからな。」
「や、やめてよ!お父さん!」
「それじゃ、景吾のお嫁さんは、ちゃんで決定だな。」
「小父さんまで!」
「ハハハ!冗談だよ。ちゃん。」
「もう・・・。それじゃ、さき帰るよ。お父さん。」
「あぁ。わかった。」

今日はもともと、お父さんと小父さんが仕事の話をする予定だったから、私は部屋を出た。すると、そこに景吾はいた。

「やっほ、景吾。もう、私、中学生になるんだ〜。」
「・・・・・・おめでとう・・・ございます。・・・・・・それでは。」
「景吾?」

その日からだ。景吾と会わなくなったのは。

俺は、あの時、やけに淋しかった。そして、何かが刺さるように胸が痛かった。理由はわかっていた。けれど、認めたくなかった。認めれば認めるほど、胸が痛くなるから・・・。

景吾とは、それから全く、会わなかったわけじゃない。私が高校に入学した時、景吾が中学に入学した時、そういう時に会った。だけど、今までのように、仲良く話すことは無かった。

アイツと話すと、余計に淋しくなる。だから、俺は前のように、親しく話すことなんて出来なかった。昔は、アイツに敬語なんて使っていなかったのに・・・。

「やぁ、久しぶり。景吾君。」
「お久しぶりです。」

今日は、私のお父さんの会社が出来た、お祝いパーティー。・・・お父さん、出世おめでとう。やっと、小父さんに少し、近づけたね。少しね。

今日は、の小父さんの会社が出来たらしく、それを祝うパーティーだそうだ。・・・だから、会いたくもないのに、会ってしまった。

「本当に、何年ぶりだろう。」
「さぁ・・・。」

相変わらず、冷たい景吾。・・・まぁ、私もなんだけど。あの日以来、景吾→景吾君に変わったし。・・・私から、頑張った方がいいよね?

「その・・・。景吾・・・・・・って、テニスやってるの?」
「・・・・・・。やってますけど。・・・それが?」
「いや、ただ・・・なんとなく・・・・・・。」

続かない・・・。でも、景吾と仲直りしたい。だって・・・。

今、が「景吾」と言った。それこそ、何年ぶりだろうか。

「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」

やっぱり、仲直りするには、あの日の話にするしか、ないか・・・。

「あのさ、景吾。」
「何ですか。」
「・・・なんで、急に敬語を使おうと思ったの?あの時。」
「・・・・・・・・・中学生になったと聞き、使った方がいいか、と思ったからです。」
「本当に?」
「・・・・・・。」
「・・・・・・私のこと、嫌い?」

なんで、そういう考えになんだよ・・・。ったく・・・。

「嫌いじゃないです。」
「じゃあ、なんで?」
「だから・・・。」
「お願い・・・。本当のこと、言って?」
「・・・・・・。」

私、仲直りしたいのに、余計にこじれそうな言い方しちゃった・・・。どうしたらいいの?

「・・・シクシク。・・・仲直り、したいの。私、景吾のこと・・・好きだから・・・・・・。」

泣いても、何にもならないのに・・・。

「・・・それは、どういう意味で、ですか?」
「どういう意味で・・・?」
「それは、ガキの俺がカワイイから好き、なのか、男として好きなのか、どういう意味なのか、って聞いてるんです。」

そう。俺は、それで悩んでいたんだ。それでと距離を置きたかったんだ。

「言ったら、前みたいに、敬語使わず、話してくれる・・・?」
「・・・はい。」
「昔は、子供の景吾がカワイくて、好きだった。だけど、景吾が離れていく内に違う、って気付いて・・・。私は、男として景吾が好きだったの。昔から。だけど、あまりに歳が離れてるから、認めたくなかった・・・。」
「・・・・・・わかったから、泣き止め。」
「景吾・・・・・・!」

久しぶりに聞く、景吾のタメ口は、とても心地が良かった。

・・・。・・・・・・将来、結婚しよう。」
「・・・うん!・・・・・・景吾が大人になるの、待っててあげる。」
「バーカ。逆だ。がもっと、大人になってから、ってことだ。」
「失礼な!これでも、働いてるんだぞ!」
「本当にやってんのかよ。」
「やってるもん!それで、今度はお父さんの会社ですることになったの。・・・内容的には、変わらないんだけど。」
「へぇ〜。」
「で、でも。・・・将来は・・・・・・、景吾が私を養ってよね・・・!」
「・・・当然だ。」

そうして、2人は仲直り以上のことをしたのでした。

そして、それを密かに見ていた親父2人にからかわれるのは、また別の話。













 

3年生のキャラで、年上ヒロインって滅多に書かないなぁ、というわけで、跡部様でチャンレジさせていただきました!
そして、見事に失敗しました★
いやぁ・・・、本当すみません・・・。

本当、全体的に微妙だなぁ・・・。とガッカリしてしまうので、余談を(笑)。
これを作っているとき、『景吾』と『敬語』がややこしいなぁ・・・!と思った記憶があります。
・・・あ、すみません。本当、これだけです・・・(苦笑)。